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収益化していくネットは、テレビもどきみたいなコンテンツに向かう気がする

今から描く事は大概「老害」話なので流してもらいたいのだけど

インターネットは収益化が一つの重要なポイントになっていて、ニコニコもいよいよ投げ銭システムを始めようとしてる。YouTubeのsuperchatやTwitchのcheeringなど、配信サービスは基本的に放送することで収入が得られるシステムが標準になっていっている。ニコニコからユーザーが離れていっている原因の一つに、人気配信者が収益化できないニコニコを嫌って別のサイトに流れていることがあるので、投げ銭システムは今後のニコニコに重要な機能と見なされている

わけだけど、僕はそれがいやだなぁと思う。

嫌儲かよと言われればそうなんだと思うけれど、じゃあ投げ銭で得する人は具体的にどういう人かと言えば、大量にコンテンツを継続的に生み続けられる人だと言える。

バーツバ(a.k.a. Vtuber)の流行もその面は否定できないだろうと思うというか、実際ミライアカリを生み出したエイレーンは「毎日動画を継続的に上げられる人の方が有利なシステム」「時間をかけたアニメなどではやっていけない」と恨み節を漏らしている。バーツバ(Vtuberじゃなくてばーつばといえ、アルファベット使うな)はキャラクターモデルを作ったり、キャプチャ機材などの初期投資は高いが、ランニングコスト自体は高くないと思われる。編集に専用のスタッフも必要かもしれないが、それは映像なら全て必要だし、それにしたってアニメーションなどの製作に比べれば雲泥の差だろう。

そしてそういうものが向かう方向は、端的にいえばテレビのバラエティ番組だと思う。

バラエティ番組は、みんなが知っているタレントを寄せ集めて、いくつか製作会社に投げてつくらせた映像にあれこれ茶々いれたり、トークしたりで大半は成立していて、タレントが何の分野の人間かなんてものはどうでもいい世界だ。元アスリートもアナウンサーも落語家も漫画家も女優もジャーナリストも、お笑い芸人と同じようなことを言って場を盛り上げればOKというシステム。なぜなら、そこで求められてるのはその人達が時間をかけて培った技術や芸ではなくて、「みんなが知ってる人」ということだからだ。

だから、ギャラはそれなりにあるかもしれないが、制作費そのものはそこそこで落ち着くし、延々作り続けられる。

例えば動物の野生の姿を捉えた映像などといったコンテンツは、発注がものすごく高い。最先端の技術を追っかけた映像や、それをわかりやすく解説する映像なども、タレントを連れてくるより遙かに高くつく。ナショジオなどが成立するのは海外でも映像やチャンネルを販売してることで巨大なマーケットを持っているからで、NHKレベルでも動物映像をとらえたコンテンツは大半は買ってきたものだろう。

インターネットも段々、バラエティのようにコストのかからないものが重視される世界に向かっている。

個人や、ネットの数名の寄り合いで例えばアニメーションやその他映像作品を作るとして、恐らく一ヶ月などで制作するのは極めて難しい。数ヶ月、場合によっては半年以上というのもザラだろう。しかしそれで仮にいいものができても100万再生もいかないはずで、仮に1再生あたり0.2円だとしたら20万程度の金にしかならないので収益をあてにした活動はできない。

収益をあてにした活動はむしろ、数万再生以上をコンスタントに作れる方が良い。だからVtuberや顔出し雑談配信、ゲーム実況など、トークが中心のコンテンツに集中していく。

…でも、雑談配信をそんなに増やしてどうするのだろう?と僕はどうしても思う。それはバラエティ番組のタレント劣化コピーを増やしているようなもので、むしろそういうものがくだらないからネットを見るようになったんじゃないかと思っちゃうのだ。

似たようなことはニュースメディアでも起こっている。収益とはPV数のことだから、とにかく「安く」「継続的に」「そこそこ多いPV」を作ることが最善手であり、そうなると「自分の足で取材すること」や「正しい報道を心がけること」はさほど意味を持たない。それを言えば昔だってそうだったというかもしれないが、今とネットのメディアとの違いはブランド価値がほぼ意味を持たなくて、その場その場で瞬間的に話題を沸騰させることが重要になることだと思う。だから、他のメディアのニュースをひっぱってきて、適当な煽りの見出しと典型的なネットの反応を載せるのがいいとなる。

そんなメディアが増え続けることが本当にいいのだろうか?って思う。

でもネットはどんどんそういう世界に向かっている。効率的にお金を稼ぐことが重要だからだ。

お金を稼ぐことが悪いとは言わないが、お金によって良いものが生まれればいいのになぁとは思ってる。でも「良いものってなんだよ、それはお前の主観だろ」といわれればもっとも。ただ、だからといってバラエティもどきと、ホラ吹きメディアが増え続けることが「だから別にいいのだ」といわれるともやもやする。良い悪いはそんな明確に言えることじゃないけれども、とはいえとはいえ…とはずっと思ってる。

6 thoughts on “収益化していくネットは、テレビもどきみたいなコンテンツに向かう気がする

  1. 面白かった。確かにドキュメンタリーとばーつばと、どちらが「良いもの」かと言うのは判断できない。
    バラエティが「悪いもの」と言いたいのはすごい同意できる。でもそこに少なくない資本が集中している以上、一定のコンセンサスが得られてるのは確かである。何の根拠もないが、民放がドキュメンタリーを全く作る気がないのは、単に儲からないだけなのではないだろうか。

    市場経済に任せた結果資本が集中するものが我々の社会を改善させるのなら良いのだが、それがアフィブログだとか内容が薄い物であるのは、そういったエコシステムが成立していないと感じざるを得ない。しかし一方で、財、サービスの競争と淘汰こそが高い水準の社会を生み出したわけで、その例からバラエティとかは漏れてしまうと言うのもまた変な話である。
    ああ言ったコンテンツが結果的に良い社会を作っていると言うことはあまり信じたくないわけだが…。

    1. ドキュメンタリーや映像作品等は儲からないというか、制作費に見合わないからと思います。で、制作費を回収するには外販するしかないわけだけど日本国内市場向けに作られてるからそういうアテもないので、安く継続的なコンテンツに集中するのだろうと。
      良いか悪いかはなかなか本当に言いづらくて、アフィブログが増えたから人間の知性が落ちたかってのはそのまま語れることじゃないんで何も言いづらいすし、娯楽がソシャゲや雑談系動画に多少偏って何か悪いのかといわれると何ともいえないわけだけど、結局テレビコンテンツに舞い戻るのだなぁという感慨はありますね

  2. 今のネットご時世で貴重な意見だと思う。なるごどなあ。

  3. 訂正 なるごどなあ→なるほどなあ

  4. ネットの趣味性の高い番組にもお金がきちんと支払われていくシステムの構築が出来ると良いですよね。時間を掛けた良質な番組にスポンサーが付くような。
    本筋とは関係ありませんが、実はNHKの自然番組は大半が自社で撮影された映像です。
    海外制作番組を流す枠があったり、映像を拝借したり、共同制作はありますが、
    この何十年特に力を入れてきている分野の1つでもあります。

    1. NHKの件、マジですかー。確かに国内映像とかはドキュメンタリー的だったりバラエティ的にとってるものはみかけますが、海外の動物映像もそういうもんなんすかね?(最近テレビ見てないのでわかってないですが)民放とかだとあんまみかけないし、やっぱある程度体力ないとできないもんなんすかね。

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