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『東方文果真報』の感想というか雑談

とりあえず射命丸文というキャラについて確認しておきたいんだけど、文というキャラは「東方の書籍は真実を語るとは限らない」というコンセプトから生まれている…というのはちょっと言い過ぎでゲームと書籍でいえば実際はゲームの方が先にきているみたいだが、少なくとも当初からウソをつくキャラというアイディアから始まっている1)外來韋編参 7-11.。文はダブルスポイラーで、あからさまに捏造をよしとする思想を見せる。それは「東方の書籍は真実を語るとは限らない」という思想が大元にあるからで、ある意味その後の妖怪の価値感全般にも関わるものになっている。

で、東方文果真報は文の雑誌という形式をとっているが、”Alternative facts in Eastern Utopia”というサブタイトルでも分かるとおり、この本はトランプの大統領就任の顛末の時代性を露骨に反映している(それと文春砲)。移民がどうこうネタ自体もある意味では東方にとってもタイムリーなネタではあるけれど、冷静にかんがえれば幻想郷への移民なんて今までも幾らでもあったし。

今回の本は、「真実を語るとは限らない」という東方書籍の基本性質を、時代性と、都市伝説騒動という二つの流れを反映するように作られていると思う。

今回の本のキモはいろいろあるんだろうけど、「時事ネタがやたらに多い」ことであり、そしてその意味するところは「リアルタイムに幻想郷に外の文化が入ってきて、ラグがなくなっている」ということじゃないかと思う。とくに香霖堂にスマホやタブレット、VRゴーグルなど最新の機種が入ってきていることが強調されることが大きい。

また、この本では文によってウソが多いことが自己申告されてるというのも珍しいわけだが、取り上げられた中に、実際にウソをついているキャラがどうにもいるような印象を受ける。とくに正邪の記事、正邪が本物の打ち出の小槌を手に入れたという話は十中八九ウソだろう。それが都市伝説を呼び込む可能性がある。作中作としてアガサクリスQの「MはMで死ぬ」というネタ小説が書かれているが、この意義はおそらく、フィクション内でウソをつくキャラがいるという多重のウソ構造を示唆してるんじゃないかなと。

もっと言うと、何故ここまで「ウソ」というものがクローズアップされるのかといえば、幻想郷で今ウソをつくことは都市伝説として自己実現の畏れがあるからだ。都市伝説騒動は未だに終結していないことは、PS4深秘録のうどんげシナリオでも再三語られているし、このことはヘカーティアも警告していることである。捏造記事はサグメの能力で自己実現されてしまう危険性があるいうわけだ。しかし実のところ、ヘカーティア自身がウソをついている可能性もある。永琳はPS4シナリオのエピローグで「月の民は関係ない」と態度を明らかにしている。永琳の言うことが正しくて、ヘカーティアがウソをついているという根拠もないわけだが、その逆もないとはいえない。月の民がウソによって何かをしようとしている…という都市伝説騒動自体もウソかもしれないわけだ。

なのでこの本は多重にウソをついている可能性を考慮したほうがいいだろう。

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References   [ + ]

1. 外來韋編参 7-11.