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プリズムリバー姉妹、とくにリリカについて

プリズムリバー三姉妹が、レイラ・プリズムリバーという女の子のマジックアイテムから生み出されたポルターガイストであることは知られていると思うけれど、花映塚で明らかになった話などは10年以上たったいまなお、案外深くは認識されていないように感じる。なので簡単に自分の推測を交えて説明してみよう。

レイラ・プリズムリバーについて

レイラのイメージ
レイラ・プリズムリバーのビジュアルは公開されていないが、一般に二次創作では緑色の髪で、紫の服をきたキャラクターとして描かれている(左図)。

だが個人的な推測からになって申し訳ないが、レイラにはイメージカラーはあるはずであり、この「緑と紫」のイメージは違うのではないかと感じている(緑と紫は、おそらくプリズムリバー三姉妹と差別化するのに丁度いい色だったからではないかという意見などは見られる)。

なぜイメージカラーがあるべきかというと、プリズムリバー三姉妹は明らかに「光」の象徴として描かれていることが、名前や服装からわかるからだ。

「プリズム」とは光を分光するガラスの角柱である。白い光というのは複数の波長の光が含まれており、波長によって光の屈折率がかわるので、たとえば三角形のガラスを通すと虹のように七色の光がみることができる。プリズムリバーの「プリズム」はおそらくこの現象をさしていると思う。

そう思う根拠は彼女たちの帽子の飾りにあって、それぞれ赤・青・緑の飾りが先端についている。この「赤・青・緑」というのがミソで、おそらくディスプレイなどに使われているRGB(Red,Green,Blue)であると思われる。赤と青と緑の光をそれぞれ重ねると、重なった部分は白色に光ることになる。つまり、彼女たちは「分光されて生まれた存在」であるという示唆だと考えられる。

ということはプリズムリバー三姉妹というのは、レイラという白い光からプリズムを通して生み出された三色の光の分身だと考えられるのだ。たぶんレイラという名前は光(ray)から来てるんじゃないだろうか。

なので、レイラは白イメージであるべきだと思う、って話。

プリズムリバー三姉妹が生まれた経緯

多くの人には既知の話とは思うがおさらいしておこう。出典は妖々夢のキャラクター紹介と、ZUNのメールでの回答による。

貿易商のプリズムリバー伯爵には四人の娘がいた。その末っ子の四女がレイラ・プリズムリバーである。

プリズムリバー伯爵はとあるマジックアイテムを手に入れ、プリズムリバー家は崩壊する。その結果娘達はそれぞれ別の家に引き取られることになるが、レイラだけは元の屋敷を離れられず一人残ることになった。だがレイラは自分の力とマジックアイテムによって、姉たちの姿を模したポルターガイスト(騒霊)を生み出した。

最初は喋ることもできなかった騒霊達だが、レイラと少しずつ会話も出来るようになり一緒に生活するようになった。やがてレイラは天寿を全うしいなくなってしまったが、それでも生み出されたポルターガイストの三姉妹は年をとることもなくその屋敷で騒々しく演奏しつづけた。

「とある理由」で冥界と行き来している間に幽霊たちにも三人は知られるようになり、幻想郷のチンドン屋として楽しく演奏する三姉妹になりましたとさ

なぜリリカが花映塚での代表キャラだったのか

花映塚にプリズムリバーのシナリオが存在するが、そのプレイヤブルキャラはリリカである。世間的にはルナサが有名であり代表キャラと思われているが、なぜリリカなのだろうか?それはたまたまではなく、明確な理由が存在すると思う。

映姫はリリカに対して

このままでは、貴方達は暴走するか、
消えてしまうかのどちらかでしょう。

拠り所のない霊は非常に不安定です。
貴方達は楽器を拠り所にしているようで
実は違う。
貴方達の拠り所は貴方達を生んだ人間。
そして、その人間はもう居ない。
消えたくなければ、
まずは、自分の存在理由を考え直すのです!

と語りかけている。
しかしリリカは(それぞれ別の場面だが、映姫の言葉に対して)

何を言ってるのかしら。
姉さん、こんな奴の事聞く必要もないよ。

それに、なんで説教されたのかも判らないしー

と、はぐらかそうとしてるのでもなく、映姫の言葉の意味が純粋に分かっていない様子をみせる。

またZUNのメールによると

――って、そもそも最初は何で冥界へ行ったんだっけー?(リリカ談)

と、自分が冥界で演奏をしている理由もわかっていないような台詞が語られる。もちろんこれは「幽々子によく呼ばれていたことを忘れていただけじゃないのか」という、単にリリカのおとぼけぶりを描いてるだけに見えなくもない。だがそうではなく、リリカは「自分が生まれた経緯を忘れてしまっている」のではないだろうか?

これに対してルナサやメルランたちは少し違う。映姫には「後ろの二人(ルナサ・メルランのこと)は攻撃に迷いがあるようですね。ならば、少しは可能性があるという物です。」と語りかけたり、

ルナサ:あの人を怒らせない方が良いわ。あの眼は全てを知っている眼
メルラン:そうそう。嘘付いてもすぐにバレる眼だったわね。

と、映姫が正しいことを把握して迷っている様子が窺える。

以上のことから言えるのは、おそらく「自分たちはレイラに作り出され、レイラのために演奏をするようになったが、自分たちを生み出したレイラはもう遠く昔に死んでいる」ことをルナサとメルランだけは知っているのではないだろうか。しかしリリカはそれが何のことだかわかっていない。

そもそもリリカの能力は極めて特殊である。ルナサとメルランは感情に影響を与える音を出すのに対して、リリカは「残りの想いを音にする」という。その音とは外の世界で死んでしまった音のことであると文花帖では語られている。この「いなくなってしまった音」とはまさにプリズムリバー三姉妹の生まれたモチーフそのままであり、リリカが他二人にたいしてかなり特殊な能力を持っているのが窺える。

リリカ自身は、自分たちの存在が何者かに生み出されたことを自覚している風もある。文花帖には

騒がしさは生き物の音。(略)その騒がしさだけが独立するとポルターガイストになるのよ。
(略)その生き物とは、私たちを生んだ音楽の霊、曲霊の事ね。

と答えているので、自分たちのようなポルターガイストは何者かの生き物かによって生み出されたことに気づいている。だがリリカは同時に、何故音が出るのかわからないという受け答えを頻繁にする。

リリカがレイラを忘れてしまった理由

なのでここから先はもう完全に推測になるのだが、リリカにとっては唯一の妹だったレイラの死を、彼女は受け入れられなかったのではないだろうか。ルナサやメルランにとってレイラも大事な妹かもしれないが、リリカもまた大事な妹であった。ショックを受けるリリカを守るためにも、この二人はレイラの死を辛くとも受け入れられた。しかしリリカには妹の喪失が耐えられず記憶を失ってしまった。

「とある理由」で冥界に足繁く通うようになったのも、冥界にいつかくるであろうレイラの霊を待ち続けたかったからではないだろうか。

そのことをリリカは全く覚えていないのだろう。自分の能力が霊たちに与える影響なども分かっていない。だから映姫はリリカに対してだけは暴走や、自分の拠り所が見えていないことから消えてしまうことを警告したのかもしれない。

そうであれば花映塚で、ルナサとメルランが声をかけずにずっとリリカを見守りつづけたり、メルランが映姫にたてついているのかもわかりやすい。二人はリリカが霊の音を探すなかで、自分たちがレイラによって生み出された存在であることを思いだして、受け入れてくれることを静かに見守りたかったのかもしれない。そこに映姫が現れたから、とくに唯一の妹といえるメルランは妹のリリカをかばいたかったのかもしれない。

この辺りはもちろん推測の幅が大きいけれど、原作の記述だけでも読みとることは無理ではない程度な気がしている。

花映塚のエンディングによると、騒霊が存在する理由は物にも霊が宿るという事を、鈍感な人間にも教えることだという。もしかしたら「物に霊が宿っていること」を教えたい相手は、いつか冥界で三人の演奏をきいてくれてたであろうレイラに対してだったのかもしれないわけだ。

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